大学で農学部に学び、醸造会社で食品製造、開発一筋に勤め上げた安田隆夫は、ついに定年を迎えました。
最初の定年は五年前でしたが、その後も嘱託社員として会社に残り、研究職として後進の指導に当たっていました。
ですが今回は2度目の定年、本当の定年とでもいうべきものです。
安田隆夫は、この後どうやって生きていくか考えました。
このまま仕事を引退してのんびり過ごすのか。
それともまだどこかでお役に立てるのか。
そんなとき、思いもかけないところからお声がかかりました。
ヘッドハンティングの会社が、食品化学に詳しい専門家を探しているというのです。
醸造会社でアルコールの醸造や醗酵食品について永らく研究開発に勤しんでおり、バイオテクノロジーの専門家でもあった彼に、その知識と経験を生かして働きませんかという誘いがありました。
今、安田隆夫は調理師、栄養士、パティシエなどを養成する専門学校にて、学科の講師として若者たちに講義をしています。
新しい出会いがあったのも、長く積み上げてきた専門知識のおかげであると感じているそうです。